三島由紀夫の作品には以前から興味を持っていましたが、手に取る機会がなかったため、これまでどの作品も読んだことがありませんでした。
そこで、代表作の1つとされる「金閣寺」を読んで見ることに。
読み始めて、まず内省的な文章に驚きました。文章の内容は非常に「狂気」と言えるようなものを感じさせるようなものであるのに関わらず、文章そのものはあくまでも冷静に語っていくような形で進行していきます。
金閣寺の「美」はどこにあるのか。それが本作品が追求している問題の1つなのではないかと思います。表面的な、色あるいは形などに普遍的な金閣寺の「美」を認めるのか、あるいは特別な状況においてのみ、その「美」は表面化するものであるのか、本作品はこの問題を追求しているのではないかと思います。
金閣寺に放火するという行為が持つ「狂気」的なもの、それが本作品からはあまり感じられないと述べましたが、特に本文最後の描写「私は煙草を喫んだ。一ト仕事を終えて一服している人がよくそう思うように、生きようと私は思った。」(p.320)においてそれははっきりと表現されているではないかと思います。
また、主観的には、この描写を作者から読者へのメッセージとして捉えました。「狂気」が「狂気」でない作品から現実へと読者を戻す描写なのではないかと思います。
本作を読んで、三島由紀夫の作品に対する興味をより一層強めることができたので、今後も機会を見つけては他の作品も読んでいきたいと思います。

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