2011年5月14日土曜日

「改訂 文学入門」 - 伊藤整

ここ数日、時間を見つけては大学の図書館に行くようにしてます。習慣になればいいな、と思ってます。


さて、今回の本なのですが、日本の近代文学について、古代文学や中世西洋の文学などと対比させつつ、その流れと性質を明らかにしています。そして、その過程の中で、「文学」そのものについて迫るような形をとっています。

日本の文学には仏教的な感動、すなわち「無」、平家物語で代表されるような考え方がバックボーンにあるといいます。これを上(生)と下(死)への文学としています。それに対して西洋文学は横的な広がりを持ったものとしているのですが、これらの表現は日本文学の特徴を分かりやすく捉えていると思います。

作者は、志賀直哉ら白樺派の作家などに代表される上昇指向の作家、太宰治などに代表される下降指向を文学の流れの中に見出しています。そして、明治以来、日本人文学者(特に自然主義文学者ら)は「善」や「美」を追求するために犠牲を伴ってきたとしています。このような見方は新鮮でした。

なぜなら、このような見方が、作品を読み、作家の素性について知ることで文学を捉えようとしていた中では見えてこなかったからです。つまり、俺自身の作品鑑賞には「批評性」が備わってないのだと思います。


そして、終章などでは「小説」について論じています。小説の定義は何なのか、その問いに対して作者の解答が示されています。この辺の文章については十分に理解することができなかったと思うので、また機会を見つけてはこの本を読み、考えてみたいと思います。


<データ>
「改訂 文学入門」
伊藤整
講談社文芸文庫
2004年

伊藤 整
1365円
評価平均:
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高校生が文学史を理解するための参考にもなる
ブンガクトハナンゾヤ

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