2011年5月18日水曜日

「回想の太宰治」 - 津島美知子

ブログで紹介する本、つまり図書館で読んだ本としては3冊目です。

前回の2冊がどちらかというと評論的な性格を持ち合わせた本だったのに対して、今日紹介するのはエッセイ的、随筆的性格が強い本です。


太宰治、好きでいろいろな作品に触れ、自分なりに追求している作家でした。

ただ、他者の視点から太宰治を批評する文章にはあまり接する機会がなかったため、その小説によってしか、太宰治に触れる機会がありませんでした。そこでこの作品は、作者(本人)でも読者(俺)でもない、「妻」という第3者視点からの太宰治を捉えた本ということで、太宰治に対する新たな見方を持つきっかけになるのではないかと思い、手に取ってみました。


さて、作者の津島美知子さんは太宰治の妻で、「富嶽百景」などにも登場するのですが、太宰とはそのような関係にあるにも関わらず、この著作の中では太宰と一定の距離を置いて太宰を描いているのではないかと思います。どちらかと言うと、夫である太宰の文章とは異なり、「硬め」な印象を受けました。

内容としては、主に太宰の行動、または太宰に対する自分の思いがメインです。太宰の小説(私小説だと言われている)では触れられていないような内容(戦後は自宅に闇屋が来ていた、など)まで書かれており、そういう面では興味を引きました。ただ、太宰に対して新たな見方を持つことになるような内容はなく、典型的な「太宰治」像とほぼ同じものがこの著作の中にも存在していると思いました。


今後は、まだ読んでいない太宰治の小説を読むとともに、文壇や評論家からの文章も読むことにより、今まで以上に、太宰治という作家に大しての理解を深めていきたいと思います。

津島 美知子
1470円
評価平均:
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この人、強い
作家論には欠かせない一級資料
太宰治の「妻」

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